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2013
04/22
ファスト新興国からの脱却への期待 カンボジア
今回のエントリーの前提となる考えは「ファスト新興国」とその弊害

GDP成長率が高くても、投資家は株価で、国民は生活向上で、果実が受け取れない。
ファスト新興国の問題があります。概要は、外国資本や国内富裕層による不動産投機です。
現地の生活者が家賃を払えないほど高額になった住宅。安い人材が豊富でも、高い工業用地や商業用地
で事業を遠ざけ、成長の機会を奪う。

不動産価格の上昇や経済成長の原動力であるが、賃金が上がり住宅を購入するか借りられる、高い土地代を
支払ってもペイできる産業の高度化と高付加価値が前提となります。これに見合わない不動産価格の高騰は
投機で儲けた人以外には、有害であるという考え方です。

簡単な模式は映画「三丁目の夕日」。オート三輪や自動車を整備する整備工場兼住宅。決して豊かでない
生活で、体中油塗れになって働いていました。これが、東京タワーの見える立地にありました。

出稼ぎ労働者を出稼ぎで受け入れ、日本の工業化の礎を築いた町工場です。

これを、整地して先進国も羨むような瀟洒なマンションを建設する。転売益で巨利を得た成金が高級外車
を乗り回す。町工場でオート三輪を国産化する前に、工場は潰されて、売却益で外車を買うという、
単純化した図式がファスト新興国です。

2012とデータは最新ではありませんが、カンボジアの首都のプノンペンの外国人、富裕層向けの
集合住宅の典型例で65㎡で22万USD、2200万円ほど。賃貸に回した時の家賃相場は6万円/月。

プノンペン
データの参照先は、globalpropertyguide

2200万円のマンション、家賃は6万円というのは、日本の地方都市の県庁所在地くらいの水準
でしょう。プノンペンの現地人の給与所得者の月給相場が100USD程度です。年収の180倍にも
なります。

もっとも、これは外国人・富裕層向けの住宅相場であり、現地人向けの不動産とは別市場です。
しかし、これはプノンペン市内の日本大使館に隣接した立地ですが、現地人が一生働いても
買えない高級一戸建て住宅が建設されています。

プノンペン住宅


2009年以降、タイからカンボジアへ頻繁に出張していたタイ現地の友人に聞いた話では、
首都プノンペンを中心に韓国系の建設会社や金融機関が盛んに進出していました。
決して侮蔑するつもりはなく、あくまでも経験則ではありますが、韓国資本による新興国
投資は、得意なデジタル家電や自動車の工場などのある一方で、短期的な不動産投機に
走る傾向があります。

これを、しっかりした裏付けのあるデータで見てみます。

アナリストレポートを全く信頼しない一方で、情報源として活用しているのは、ジェトロ
などの統計データです。ジェトロは貿易や日本企業の進出など直接投資を前提とした機関
であり、投資家に株や投信を買わせる事を目的とした投資関連のアナリストより、客観的
なデータを期待できます。

国別対内直接投資

外国からカンボジアへの直接投資(株式や債券などへの投資ではなく、企業の進出や工場や住宅の
建設など)の国別での統計では、2010年で韓国は全体の半数近いシェアを持ちます。しかし、2011年
は韓国からの投資は前年の−85.8%と大幅に減少しています。

対内直接投資産業別

出展は ジェトロ日本貿易振興機構

産業別での統計では、2010年には建設・インフラへの投資がやはり全体の半数近くを占めており、
翌年の2011年には-90.5%と激減しています。

これは、2010年には韓国が焼き畑農業的に大量の不動産投機を行い、2011年には損失が発生した
のか、一斉に手を引いています。

カンボジアのように産業の多角化や成熟が進んでいない国ではとくに、このように、鉄砲水のように
押し寄せて、一斉に潮を引くような投資は、経済成長の安定性を大きく損ねます。


2011年までのデータしかありませんが、不動産投機よりも、農業・工業・観光業という、継続的な
雇用と経済成長を生む産業への投資が増えています。


新興国への投資の是非を考える前に、その経済成長率が不動産投機主体の見せかけの成長では
ないか?その成長は持続可能か?株式投資や所得の増加で果実を手にできるのか?
冷静に判断すべきでしょう。

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Comment
初めまして 
海外投資のブログ検索を見てここに来ました。
確かに御説はその通りだとは思いますが・・・

実際問題、固定相場制で資本流入規制のあった三丁目の夕日時代の日本と、世界中のマネーがぐるぐる回っている現在と単純に比較するのも無理がないかとは思います。

結局、資本流入規制のある国でないと投資に値しないということになるし、そういう国は日本人の投資はまず拒否されるのが実情でしょう。
となると、このファスト新興国以外の「まともな新興国」に投資は出来ないわけで、いろいろ議論するのもそんなに意味のあることではないかとも思ってしまうのです・・・

黙って日本株や証券会社の売る投信でも買っていればいいのでしょうけど、それでは無理だからこそファスト新興国でもその間隙をぬって投資するのではないかと思います。
ピコピコさん、貴重なご意見をありがとうございます。 
確かにバングラデュ株が楽天証券でも買える自由化、グローバル化された現在と、過去では前提が異なります。

ファストフードに例えると、費用も相対的に高くはなく自由に食べる事ができます。たまのジャンクフードは楽しいものですが、毎日毎日ハンバーガー漬けでは健康を害するマイナス面が目立ちます。

新興国もこれと同じで、対外投資の受け入れは自由化されていますが、その依存度と弊害の発生状況は、国によってあるいは、同じ国でも時期によって異なります。

定量的には、このブログからリンクを張っているジェトロの情報が手軽ですが、
直接投資受入額/GDPの他国との比較、あるいは時期的比較
この直接投資受入額と経常収支と貿易収支の年次変化も定量的比較に活用しています。

相対的に直接投資受入額が大きい、あるいは年次により大きく変動している。
貿易収支の大幅な赤字が直接投資受入で補われている、あるいはこれらの要素が年次によって
大きく変動しているのは、危険サインと判断しています。

http://standardandpoors.blog.fc2.com/blog-entry-94.html
こちらのエントリーの通りで、対内直接投資の産業別の比較も欠かせない判断材料です。
建設、不動産、金融に偏った投資は危険視しています。

もちろん定性的な判断で、シンガポールやドバイなどのように、農業や工業よりも金融業や物流ハブ、観光や富裕層の居住を基幹産業とするような国(首長国)は、建設などの投資割合が高いのは、理解できます。

2007年金融危機前、2008,9年の金融危機後に新興国への新規の株式投資を行い、
(当時は)ファスト新興国の影響が相対的に小さかったタイ、ブラジルを中心に投資をして、ベトナム、中国への投資を回避していました。




ありがとうございます 
ご返信ありがとうございます。
おっしゃることはその通りですね。余程詳しい人以外は投資しない方が良さそうな感じですw

ピコで投稿しているマレーシア不動産のコメも私です。ピコひとつ付け忘れたw

今後ともよろしくお願いします。
 
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