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2014
01/24
永遠のゼロサムゲーム JALの犯した罪

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
(2009/07/15)
百田 尚樹

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原作と映画版の「永遠の0」を楽しみました。映画版は映像化という特性からスペクタル映像とラブストーリーの要素が深くなっています。日本人に悪意を持つ人の視点では、フィクションでありながら、特攻隊を美化しているとの感想もあります。日本人を恨み嫌う人にしか理解できない世界観があるのでしょう。

原作で印象的だったのは、主人公の宮部久蔵の老練のパイロットだという描写。映画版はほぼ忠実に原作をなぞっており、主人公の宮部久蔵は26年で生涯を閉じます。私が強く感じたメッセージは、若い人から先に戦地に送られ、特攻に身を投じたのも学徒であった弱肉強食ならぬ、若肉老食の非情さです。緒戦で優秀なパイロットを失い、未熟な若者が犬死させ続けられる現実です。小説や映画では描かれていませんが、彼らを死地に送った、軍の上級士官や政治家や官僚の大半は生き残りました。

宮部久蔵を始めとした26歳の老練兵など、現場は優秀で指揮が高いが、官僚機構となった軍部の中枢が無能で、殺し殺され続けされた戦争の愚かさ。安倍首相の靖国神社参拝に強い口調で意義を唱える都知事選候補者の自称平和主義者の宇都宮氏も高齢者の福祉をバラマキ、若年層に請求書を突きつける若肉老食の非情さを引き継いでいます。同じく強く靖国問題を断罪している朝日新聞も学徒出陣と玉砕戦を老人の娯楽に提供しています。これは、経営の無能さを若手従業員の長時間の奴隷労働と使い捨てで責任を負わせるブラック企業問題と同じでしょう。

外交上の問題などで首相の参拝については議論が分かれるところですが、無能な戦略と若肉老食で若い命を犠牲にした過去と現在を、靖国に祭られた英霊に詫びるのは否定されるべきではないでしょう。

旧海軍のように命を直接奪ったわけではありませんが、戦略なき官僚機構の暴走で地に落ちたナショナルフラッグキャリアのJALは現場の懸命な努力で再生しつつあります。利用された方は、空港に到着した後でエアコンの節電のために、窓のシェードを閉めるように促された経験があるでしょう。JAL関係者に聞いたのですが、従業員はエレベータを極力使用しないで階段を使う、パイロットは燃費に配慮した操縦法を実践するなど、利用者に不便をかけない範囲で極力経費節減をしています。

1301機内食

この写真のような機内食をJALのアジア方面のエコノミークラスで幾度か体験しましたが、デパートの仕出し弁当のような日本らしさを味わえて、従来のものや他社の機内食よりも満足度が高い経験をしました。従来の機内食はメインデッシュに含まれるご飯、パン、副菜のソバと炭水化物の主食が3種類も重なるなどの不満もありました。これは、サービス提供側のJALからすると、Beef or Chickenの選択肢がなくなり、乗客に聞く必要が無くなった。複数種の在庫が不要。お弁当スタイルなので、配膳にかかる時間と手間が飛躍的に減少した。といった経費節減のメリットがあります。

その他の接客サービスも、再生後は他社よりも良い印象を持っています。

空港や飛行機の中や傍らで働いているJALの従業員は非常に優秀です。

しかし戦略なき経営で現場の努力を無にして、再び地に落ちようとしています

ANAを”なぞる”JALのしたたかな戦略 新年度の国際路線計画がそっくり 武政 秀明 :東洋経済記者 2014年01月24日

羽田空港の国際線増枠に関わるJALの2014年度の路線計画が先に発表されたANAをほとんどコピー。

1401増枠

ANA vs JALという日本国内の航空界者同士のシェア争い。JALの経営者は767や787をANAを迎撃する戦闘機だと考えているのでしょうか?お客様に航空旅客サービスを提供するための飛行機です。

利用者はJALかANAかを選ぶ前に、どこに行きたいか、いつなら飛行機に乗れるかで選ぶはずです。休日を有効利用するために朝一番に羽田から飛びたい人もいますし、早起きは体力が辛いのでお昼か午後ゆっくり、都心に近い羽田だから仕事の後から深夜に飛びたい人もいるでしょう。ANAとほぼ同じ時間帯に飛ぶのは、このような利用者の利便性と選択肢を奪う愚かな行為です。JALは旅客機を乗客のためではなく、ANA迎撃の戦闘機にしています。

海外投資家にとって、北米、欧州、中国や東南アジアに続く、新たな成長センターとして、ドバイを代表とする中東地域の重要性が高まっています。

1401空港ベスト

2012年のデータではドバイ国際空港の旅客数は世界10位であり、この中で最も高い伸び率です。しかし、近隣のアブダビやカタールも含めて、就航する航空会社は現地資本(エミレーツ航空、エディハド航空、カタール航空)に限られ、JALやANAはこの巨大で拡大するマーケットに踏み込めていません。相手国の独占では価格競争はおきませんし、運行の時間帯も日本側の便宜を無視したものになりがちです。

1401ドバイ

成田→ドバイ線の例ですが、夜の時間帯に出発して現地自国の早朝に到着します。日本発の別空港、目的地が近隣のアブダビやカタールであっても、時間帯は同じように夜に出て早朝に付きます。

これは、人口が200万人余りと群馬県や栃木県ほどしかないドバイの空港が、世界ベスト10となり結実していますが、国家戦略として、中東のあるいはヨーロッパやアフリカなどへの乗り継ぎ拠点(ハブ)として、ドバイの空港を整備しており、早朝に到着して、その日のうちに乗り継いでもらう事を想定しています。

これは、あくまでのドバイ側の戦略であり、旅行者としてドバイを目的地にした場合、早朝に空港に到着して、出国手続きを待ち、疲れ果てた体で夜を待つのは嫌です。旅行先としてドバイを利用したくない理由になります。

もしも、羽田で獲得した枠を、11:00発ドバイ行きにすると、現地時刻の18:00くらいに到着して、空港を出てからホテルにチェックインして、すぐに休む事ができます。乗り継ぎに利用するにしても、ドバイで一泊、二泊を楽しんでからにしたいニーズがあるでしょう。香港がそうであるように、ドバイの金融サービスやビジネスサービスを数泊の滞在で利用してから、中東やアフリカ諸国のビジネスの現場に向かうのもあるでしょう。

ANAのフライトスケジュールをコピーするよりも、JALは中東渡航に選択肢を提供する、ドバイ旅行が楽になると、利用者に大きくアピールできます。成長する中東やアフリカと共にJALと利用者は成長を続けられます。

このような夢を語れずに、ANAと限られた市場を潰し合う、永遠のゼロサムゲームを選んだのを強く失望しています。

永遠の0で次いで印象に残ったのは、真珠湾攻撃の大成功で湧く戦友の中で、撃破したのは戦艦や巡洋艦などのみで、空母の撃破には失敗した、少なからず未帰還機があったという、主人公の宮部久蔵の他者とは違う気付きです。同時に飛行機は上を向いて飛ぶという常識を反して、たびたび背面飛行をして、他者が見ない視野を確保する姿勢です。

これは、本ブログがテーマとしている、海外投資の情報戦略に必須のものに通じます。アナリスト情報や新聞やテレビのニュースだけを真に受けてはいけません。背面飛行をしてみるべきでしょう。

JALの優秀な従業員も、重役室の錯誤に気がついているでしょう。
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